最終更新:2025/06/15

FX初心者が知っておくべきエントリーポイントとタイミング別エントリー手法の解説

エントリーポイントの定義と重要性

FX取引の成否を決定づける重要な要素の一つがエントリーポイントです。適切なタイミングでポジションを持つことができれば、リスクを最小限に抑えながら利益を最大化することも可能です。エントリーポイントの定義から、トレード結果への影響、そしてエグジット戦略との関係性までを解説していきます。

エントリーポイントとは?

エントリーポイントとは、FX取引において「新規にポジションを持つタイミングや価格帯」のことです。適切なエントリーポイントを決める際は、以下の要素を組み合わせて分析します。

  • チャートパターンなどのテクニカル分析
  • 経済指標や要人発言を確認するファンダメンタル分析
  • ローソク足の形を見るプライスアクション

適切なエントリーポイントの選定がもたらすメリット

適切なエントリーポイントを選ぶことで、以下のメリットが得られます。

  • トレードの勝率向上:トレンドの初動やサポートライン付近でポジションを持つことで、エントリー後すぐに含み益が出やすくなり、トレードを有利に進められます。
  • 損失の最小化:根拠を持ったエントリーポイントを選定することで、逆行した場合でも早めの損切りがしやすくなり、結果的に損失を最小限に抑えられます。
  • 精神的安定:管理しやすい環境を整えることで、資金管理の精度も向上し、精神的な安定感も得やすくなります。

エントリーポイントの誤りがもたらすリスク

一方、エントリーポイントの選定を誤ると以下のリスクが生じます。

  • 大きな含み損を抱えやすくなる
  • 損切りの判断が曖昧になり、資金管理が崩れる
  • 自信を失いメンタルが不安定になり、負のスパイラルに陥る

エントリーポイントとエグジットポイントの関係 

エントリーポイントとエグジットポイントは切っても切り離せない関係にあります。エグジットポイントとは「どのタイミングでポジションを手放すか(利益確定または損切り)」を決める重要な指標です。

エントリーを決めた時点で、想定する利確ラインや損切りライン(リスクリワード比)を同時に設定しておくと、感情に左右されずにトレードを続けやすくなります。

代表的なエントリーポイントの手法 

市場には数多くのエントリー手法が存在しますが、その中でも特に効果的で多くのトレーダーに支持されている手法があります。

ここでは、初心者から上級者までが実践できる代表的なエントリーポイントの手法を解説します。これらを理解しておくことで、自分に合ったタイミングを見つけやすくなり、トレードの安定感を高めることができます。

押し目買いと戻り売り 

押し目買いと戻り売りは、FXトレードの王道とも言える手法です。

  • 押し目買い:上昇トレンドの一時的な調整(押し目)で買いポジションを持つ戦略
  • 戻り売り:下降トレンドの戻し(戻り)で売りポジションを持つ戦略

この手法のメリットは、トレンド方向に沿ったエントリーができるため、相場の勢いを活かしやすい点です。移動平均線やトレンドラインを使って押し目や戻りの目安を探し、エントリーポイントを決めるのが一般的です。

サポートラインとレジスタンスラインの活用

サポートライン(支持線)とレジスタンスライン(抵抗線)は、相場が反発しやすい価格帯を示す重要な目安です。価格がサポートラインで下げ止まる、またはレジスタンスラインで上げ止まるタイミングは、逆張りや順張りの判断に利用します。

ゴールデンクロスとデッドクロス

ゴールデンクロスとデッドクロスは、移動平均線を使ったテクニカル分析の代表例です。

  • ゴールデンクロス:短期移動平均線が長期移動平均線を上抜ける→買いポジションのサイン
  • デッドクロス:短期移動平均線が長期移動平均線を下抜ける→売りポジションのサイン

ブレイクアウト戦略

ブレイクアウト戦略とは、レンジ相場や節目のラインを明確に突破した瞬間にエントリーする手法です。高値更新や安値更新などの価格帯を超えた動きを狙います。この戦略の魅力は、大きな値幅を狙える点です。ただし、ダマシ(ブレイク後にすぐ反転する動き)に注意し、他のテクニカル指標と組み合わせて判断することが重要です。

ダイバージェンスの見極め方

ダイバージェンスとは、価格の動きとテクニカル指標(RSIやMACDなど)の動きが逆行する現象です。トレンドの勢いが弱まっているサインとされています。

  • 弱気のダイバージェンス:価格が高値を更新しているのに指標が高値を更新できない→売りサイン
  • 強気のダイバージェンス:価格が安値を更新しているのに指標が安値を更新できない→買いサイン

ファンダメンタル分析を活用したエントリーポイントの判断

FXでは、ファンダメンタル分析もエントリーポイントを決める大切な要素です。取引前に、チャートだけでなく経済指標や要人発言などをチェックするためニュースの情報も参考にしましょう。

ファンダメンタル分析の基礎知識

ファンダメンタル分析とは、経済指標や金融政策、地政学リスクなどの要素から相場を予測する手法です。GDP、失業率、中央銀行の政策金利などが代表的で、これらの指標は為替相場に大きな影響を与えます。

経済指標の読み解き方

経済指標は、為替相場の方向感をつかむヒントになります。特に米国の雇用統計や日本のGDPなどは注目度が高いです。発表前後は値動きを観察し、トレンドの変化を感じ取りましょう。

金融政策と要人発言の影響

中央銀行の金融政策は通貨レートや金利の動向に影響を与えます。例えば、利上げ予想が高まると通貨高傾向になります。中央銀行総裁の発言も大きな材料となるため、発言のトーンや内容を把握し、エントリーポイントの参考にしましょう。

テクニカル指標を用いたエントリーポイントの見つけ方

テクニカル分析は、過去の価格データから値動きを予測する手法です。ファンダメンタル分析で大まかな方向性を把握した後、テクニカル指標を活用することで、エントリーポイントを見つけやすくなります。ここでは代表的なテクニカル指標とその活用方法をわかりやすく解説します。

移動平均線(MA)の活用方法

移動平均線は、相場のトレンドを把握するのに役立つテクニカル指標です。過去の価格の平均値を線でつなぎ、相場の方向性を視覚的に示してくれます。

短期移動平均線(例:5日線)が長期移動平均線(例:25日線)を上抜けたときの「ゴールデンクロス」は上昇トレンドへの転換を示すサインで、買いポジションのエントリーポイントとして活用できます。

また、移動平均線は相場の「サポートライン」や「レジスタンスライン」としても使われます。サポートラインとは、価格が下げ止まりやすい目安となる線のことです。逆に、レジスタンスラインは価格が上げ止まりやすい目安となる線のことです。

たとえば、価格が移動平均線まで下落して再び上向きに転じた場面では、その移動平均線がサポートラインとして機能している可能性があります。このタイミングで買いポジションを持つ、といった使い方も効果的です。

RSIやMACDなどのオシレーター系指標

RSI(相対力指数)やMACD(移動平均収束拡散法)は、相場の勢いを測るオシレーター系のテクニカル指標です。

  • RSI:0〜100の数値で表示され、一般的に70を超えると「買われすぎ」、30を下回ると「売られすぎ」と判断します。RSIが30を下回った後、再び30を上抜けた場面では、売られすぎからの反発を期待して買いポジションを持つエントリーポイントになります。
  • MACD:2本の移動平均線の差を利用してトレンドの強さや転換点を見つける指標です。MACDラインがシグナルラインを下から上に突き抜けたときは、上昇トレンドのサインとして見ます。

チャートパターンの識別

チャートパターンは、過去の値動きから将来の相場展開を予測するための手法です。通貨ペアごとにボラティリティが異なるため、チャートパターンを確認しましょう。

  • ダブルトップの見極め方:価格が2回同じ高値付近まで上昇し、その後に反転して下落するパターンです。例えば、ドル円相場が150円付近で2回反発した後、下落し始めた場面ではダブルトップが完成したと判断でき、売りポジションのエントリーポイントになります。
  • トリプルボトムの見極め方:価格が3回同じ安値付近まで下落し、その後に反転して上昇するパターンです。例えば、ユーロドル相場が1.05ドル付近で3回反発した後、上昇に転じた場面ではトリプルボトムが完成したと判断でき、買いポジションのエントリーポイントになります。

チャートパターンは、移動平均線やRSI、MACDなどのテクニカル指標と組み合わせて使うと、精度の高いエントリーポイントが見つけやすくなります。まずは、FX口座にログインして注文を出す前に、最新のチャートをチェックしましょう。

エントリーポイントを見極めるための実践的アプローチ

FXで安定した収益を出すためには、エントリーポイントの精度を高めることが重要です。ここでは、実践的なアプローチとしてマルチタイムフレーム分析、環境認識、ゾーンでの判断を具体例を交えて解説します。

マルチタイムフレーム分析の重要性

マルチタイムフレーム分析とは、複数の時間軸のチャートを確認し、エントリーポイントを判断する手法です。

例えば、日足チャートで上昇トレンドを確認した後、4時間足で押し目買いのタイミングを探すという方法があります。日足が上昇トレンドを示している場合、その方向に沿ってトレードする方が成功率が高くなるためです。

具体例として、日足でドル円が移動平均線の上で推移していて、上昇トレンドが続いている場合、4時間足で価格が移動平均線まで押してきたタイミングを狙い、ローソク足の陽線が出たら買いポジションを持つ、といったエントリーポイントを探す方法として使われます。

環境認識とトレンドの把握

エントリーポイントを判断する前に、相場全体の環境を認識することが大切です。例えば、移動平均線を確認し、現在の相場が上昇トレンド、下降トレンド、レンジ相場のどれに該当するかを判断します。

具体的には、移動平均線が右肩上がりであれば上昇トレンドと判断し、トレンド方向に沿った押し目買いのタイミングを検討します。

一方、移動平均線が横ばいであればレンジ相場と判断し、上値と下値の抵抗帯(サポートラインやレジスタンスライン)で反発を狙う戦略を立てることができます。

エントリーポイントのゾーンでの判断

多くのトレーダーはエントリーポイントをピンポイントで決めようとしますが、実際の相場では幅を持たせた「ゾーン(価格帯)」で判断する方が成功しやすいです。

例えば、ドル円が145円付近で何度も反発している場合、そのゾーンがサポートラインとして意識されている可能性があります。このゾーンでローソク足のピンバー(長い下ヒゲの陽線)が出たら、買いポジションを持つチャンスと判断できます。

エントリーポイントにおける注意点とリスク管理

FXトレードで安定して利益を出すためには、エントリーポイントだけでなくリスク管理も大切です。ここでは、エントリーポイントを決める際に注意したいポイントと、リスク管理の方法について解説します。

感情に左右されないトレードの実践

FXで安定して利益を出すためには冷静さを保つことが必要です。利益を出したいという気持ちが強すぎると、根拠のないエントリーポイントでポジションを保有してしまうことがあります。これを予防するためにも、ポジションをとる理由を明確にし、自分で決めたルールに沿ってトレードを行うことが大切です。

具体的には、「必ず移動平均線とRSIで条件が揃ったときだけエントリーする」といったルールを作り、感情に左右されないトレードを実践しましょう。

ポジポジ病の回避方法

「ポジポジ病」とは、エントリーポイントが来ていないのに、ついポジションを持ってしまう状態のことです。例えば、チャンスを逃したくない気持ちや退屈さから、無理にエントリーしてしまうことがあります。

これを防ぐには、事前に「自分が狙うエントリーポイント」を明確に決めておくことが大切です。例えば、サポートライン付近や移動平均線付近など、自分が信頼できるポイントでのみエントリーする習慣を身につけましょう。

損切りと利確の設定

損切りと利確の設定は、リスク管理において欠かせない要素です。例えば、エントリーポイントを決めたと同時に「どこで損切りするか」「どこで利確するか」をあらかじめ設定しておくと、予想外の相場変動に対処しやすくなります。

例えば「エントリーポイントから10〜20pips下を損切りラインに設定し、利確目標は損切り幅の2倍(リスクリワード比2:1)を目安に設定する」等、どうなったら損切するのかを明確にしておくと安定したトレードができるようになります。

成功するトレーダーのエントリーポイント戦略

成功しているトレーダーの戦略を参考にし自分なりのエントリールールを構築することがFX取引の成功のカギです。ここでは、実際のトレード事例や、エントリーポイントの選定基準、トレードルールの構築方法について解説します。

実際のトレード事例の紹介

成功しているトレーダーは、明確なルールをもとにエントリーポイントを決めています。

実際の手順例

  1. 日足チャートのトレンドを確認(25日移動平均線が右肩上がり→上昇トレンドと判断)
  2. 4時間足チャートで押し目を探す(価格が25日移動平均線まで下落→押し目と判断)
  3. 反発のサインを確認(4時間足でピンバーが出現→買い勢力が強いと判断)
  4. オシレーター系指標の確認(RSIが30%付近から反発→売られすぎからの反転)
  5. エントリーポイントの決定(ピンバー確定で買いポジション)

エントリーポイントの選定基準

FXトレードで安定した成果を上げるためには、明確なエントリーポイントの選定基準を持つことが大切です。

  • 上位足のトレンド確認:日足チャートで移動平均線が右肩上がりなら上昇トレンド、右肩下がりなら下降トレンドと判断し、無駄な逆張りを減らします。
  • テクニカル指標の複数確認:移動平均線(25日線)とRSI(30%以下で売られすぎ)を組み合わせて判断し、両方の条件が揃ったときだけエントリーすることで精度を上げます。
  • ローソク足のサインを確認:長い下ヒゲの陽線(ピンバー)や包み足などが出た場合、反発のサインとして活用しますが、単体で判断せず他の指標と組み合わせます。
  • リスクリワード比の設定:損切り幅20pipsに対して利確幅40pips(リスクリワード比2:1)を目安にすることで、負けトレードがあってもトータルで利益を積み上げやすくなります。

トレードルールの構築と遵守

FXトレードで安定して成果を出すためには、自分だけのトレードルールを作り、そのルールを守ることがとても大切です。

ここでは、ルールを作るポイントと守るコツを具体例を交えて解説します。

  1. トレードルールを作るポイント

例えば、「日足で上昇トレンドのときだけ押し目買いを狙う」などのルールを決めると、トレードの方向性が明確になります。一定のルールに加え、テクニカル指標(例:移動平均線、RSI、MACD)を組み合わせて、根拠のあるエントリーポイントを設定し、リスクリワード比(例:2:1以上)を決めることで、損切りと利確の基準を統一できます。

  1. ルールを守るコツ

FX取引にはメンタル管理も必要となります。額の大きいトレードや値動きが大きいトレードは感情的になりやすく、根拠なくエントリーを行ってしまうことがあります。あらかじめルールを紙に書き出したり、スマホのホーム画面に表示させておく等、常に意識しておくと冷静にトレードができます。負けが続いたとしても、機械的に条件を守ることで大きなドローダウン(資金減少)を防げます。

  1. 守れない場合は見直しを

ルールを守れないと感じたときは、ルールが複雑すぎないか、相場に合っているかをチェックしましょう。また、短期トレードで細かい値動きに振り回されるなら、もう少し上位足中心のルールに変えるなど、自分に合った仕組みにするのも大切です。

まとめ:エントリーポイントの理解がFX成功への第一歩

FX投資で勝ち続けるためには、エントリーポイントを見極める力が欠かせません。重要なのは、チャートのパターンやテクニカル指標をただ覚えるのではなく、自分なりのルールを作り、それを信じて行動することです。

多くのFX会社では無料のセミナーやツールが用意されており、デモトレードでエントリーポイントの練習をしてから実際の取引に臨みましょう。

焦らず、着実に、一歩ずつ自分のスタイルを作り上げていってください。この記事がこれからのトレードスキル向上の一助となれば幸いです。