「1円の値動きで1万円の利益?」これがFXの魅力です。FXとは何か?外国為替証拠金取引の基本を分かりやすく解説します。
FXとは「Foreign Exchange」の略で、日本語では「外国為替証拠金取引」と呼びます。為替レートの変動を利用して、通貨の売買によって利益を狙う金融商品です。
例えば、1ドル=150円の時にドルを買い、1ドル=151円になった時にドルを売ると差額の1円が利益になります。これがFXの基本的な仕組みです。
外国為替とは、異なる国の通貨を交換する取引を指します。例えば、海外旅行の時の外貨での両替をするとき、出発時に比べ円安が進んでいれば、変動した為替レート分の日本円が戻ってきます。
この為替レートは常に変動しており、経済指標の発表や各国の金融政策、政治的な状況が影響します。このマーケットは秒単位で価格が変動します。
レバレッジとは、取引金額の一部(証拠金)を担保として預けることで、その数倍の取引を可能にする仕組みです。
例えば、1ドル100円の時に1,000ドルを買おうとすると10万円が必要となりますが、レバレッジ10倍の取引をすれば1万円の証拠金で取引が可能になります。
日本国内の金融商品取引業者は金融庁や関東財務局のルールにより最大25倍が上限となっています。
なぜFXでは「買う」と同時に「売る」のか?2つの通貨を同時に取引する理由と、取引コスト「スプレッド」について解説します。
FXでは常に2つの通貨を「ペア」で売買します。例えば、ドル/円(USD/JPY)の場合、ドルを買って円を売る、またはその逆を行います。為替レートに応じて買値と売値の差が利益や損失になります。レートは秒単位で動いており、短期的な売買(スキャルピング)、中期的な取引(スイングトレード)、長期的な保有(ポジショントレード)があり、自身のスタイルに合わせた運用が行えます。
スプレッドとは、買値と売値の差(取引コスト)を指します。スプレッドが狭い通貨ペアであるほど取引コストが低くなります。
例えば、米ドル/円で取引する際、買値が1ドル=150.05円、売値が1ドル=150円の場合、スプレッドは0.05円になります。
寝ている間にお金が増える「スワップポイント」と、大きな利益を狙う「為替差益」。あなたはどちらを選びますか?この2つについて解説します。
為替差益とは、通貨ペアの買値と売値の差額により得られる利益です。短期売買でも中長期保有でも狙うことができます。例えば、ドル円が150円→151円に上昇、1万ドル分取引していた場合の利益は、1円 × 1万ドル = 1万円になります。
スワップポイントとは、2つの通貨の金利差によって得られる利益のことで「金利差調整分」ともいわれます。一般的には低金利の通貨を売り、高金利の国の通貨を買って得ることができます。これはポジション(保有している通貨)を解消しない限り、継続的に受け取れるので、中長期の運用に向いているインカムゲインを狙う方法です。
1ドル=150円のときに10万ドル購入
数日後1ドル=151円に上昇
1円×10万ドル=10万円の為替差益が発生
反対に1ドル=149円になれば10万円の損失となるため、為替変動の予測とリスク管理が必要となります。スプレッドを含めた取引コストを意識して取引しましょう。
FXには魅力的な点もあれば注意すべきリスクも存在します。ここではメリット、デメリットを紹介します。
世界各国の市場はリレー形式で開いています。システムメンテナンス時と土日等を除けば平日のほぼ24時間いつでも取引が可能です。仕事後の夜間にも取引できるので副業として始める方も多いです。
FXの大きな魅力のひとつです。為替レートの小さな変動でも大きなリターンが狙えます。
1,000通貨単位(数千円)から取引可能なFX会社もあります。資金に余裕がなくても始めやすい点が魅力です。
スプレッドのみで取引でき実質手数料ゼロのFX会社が多いです。売買を頻繁に行ってもコストが抑えられます。
株式取引と異なり、買いからでも売りからでも取引が可能です。円安・円高どちらの局面でもチャンスがあります。
利益を大きく狙える一方で予想が外れた場合、損失も同様に大きくなります。また、決済前の含み損が一定の基準を上回るときに強制的にポジションを解消(決済)する仕組み(ロスカット)があり、追加資金を入金したり、自らポジションを決済するなど、証拠金の用意とリスク管理が不可欠となります。
米ドルのような主要通貨であっても、政治や経済状況など大きなニュースで為替レートが急変することがあります。また、取引する通貨国の政策金利が急変することでスワップポイントが変動することで思わぬ損益が発生する場合もあります。
主要通貨ではなく経済や国内情勢が不安定な国の通貨は、売り手、買い手ともに少なく流動性が低いため取引が成立しづらくなるリスクがあります。
約定力の高い通貨ペアを持つことで回避が可能です。
主要通貨ペアの性格と、東京・ニューヨーク時間で変わる市場の特徴を知れば、あなたの勝率は格段に上がります。
取引の時間帯によって戦略を変えることがリスク管理につながります。
スプレッド重視?スワップ重視?あなたの取引スタイルに合うFX会社を選ぶことも成功の秘訣です。選び方と取引開始までを紹介します。
金融庁および関東財務局に登録されている国内業者を選びましょう。登録されたFX会社は一般財団法人金融先物取引業協会や日本証券業協会にも加入しており、サポートなどのサービス体制も整っています。スプレッドの狭さ、取引ツールの操作性等も見て比較検討しましょう。
例えば、短期売買を中心に取引するのであればスプレッドが狭い会社を。中長期の取引やスワップポイントによる利益を目的にするのであればスワップの高いFX会社を選ぶのが良いでしょう。
FX会社により違いはありますが、ほとんどが口座開設はネットで完結できます。基本的に口座開設・口座維持手数料は無料で開設できます。本人確認書類(免許証やマイナンバーカードなど)をアップロードし、審査を経て数日以内に取引可能になります。
指定口座へ資金を入金します。即時反映されるFX会社も多く、取引準備がすぐに整います。
いきなり実際の資金を使うのは不安という方には、デモトレードからはじめてみましょう。多くのFX会社で本番と同じ環境で取引を体験でき、操作方法や値動きの感覚をつかめます。
実際に取引を開始する際は、最初から高額から始めず、少額から経験を積むのが安全です。最初のうちは1,000通貨単位での取引を推奨します。
FX初心者が陥る致命的なミスとは?損切りできない、感情的になる、無謀な取引をする…心当たりはありませんか?プロが実践するコントロール技術を身につけましょう。
含み損が膨らみ続ける前に損失を限定するため、必ず自分の取引スタイルに応じた損切りをする水準(ストップロス)を設定しましょう。メンタルのブレも抑えられリスク管理を強化することができます。
取引に慣れるまでは、リスクを抑えるため2〜5倍程度の低レバレッジから行うといいでしょう。資金管理がしやすく、損失拡大のリスクを抑えられます。
損失を取り戻そうと無理な取引を重ねたり、興奮して事前に決めた損切りルールを破ったりしないよう、冷静な判断を心がけましょう。トレードの記録をつけて振り返る習慣も有効です。
取引をしていると出てくるFX用語。「pipsって何?」「ロットとは?」よく出てくる用語を紹介します。
売買注文が成立すること。注文を出してから実際に取引が成立するまでの速度を「約定力」や「約定スピード」と呼びます。約定力の高いFX会社を選ぶことで、希望する価格での取引がしやすくなります。
為替の値動きを表す最小単位。通常、USD/JPYであれば「1銭=1pips」に相当します。
取引の単位。1ロット=10万通貨とする業者が多いですが、1,000通貨単位でのミニロットやマイクロロットにも対応している業者もあります。
現在の証拠金残高が必要証拠金の何%あるかを示す指標。維持率が一定以下になるとロスカットが発動するため、一定以上となるようこまめな確認が重要です。
「FXで破産した人の話を聞くけど大丈夫?」「主婦でも始められる?」「税金はどうなる?」そんな不安や質問にお答えします。
レバレッジや相場の変動による損失リスクはありますが、適切な資金管理と損切り設定を行えば、リスクを抑えることが可能です。
1,000通貨単位から取引可能なFX会社もあり、数千円の証拠金からスタートできます。無理のない範囲で始めましょう。
FXの利益は「申告分離課税」として一律20.315%の税率がかかります。確定申告が必要なケースもあるため、取引損益を確認しましょう。
FXは、通貨の売買を通じて利益を狙う投資方法です。初心者でも少額から始められ、ほぼ24時間いつでも取引可能という利点があります。FXと商品についての基礎知識、取引ルールを理解し、無理のない範囲でFX取引の一歩を踏み出しましょう。