最終更新:2025/05/14

FXのニューヨーク時間とは?取引が活発に動く時間帯や株との違いについて解説

FXにおける「ニューヨーク時間」とは何か?

まずは、FXにおける「ニューヨーク時間」とはについて解説いたします。

  • ニューヨーク時間の定義
  • 日本時間との時差はどのくらいある?

ニューヨーク時間の定義

通貨市場は、「東京・ロンドン・ニューヨーク」という三大市場を軸に休まず回っています。ニューヨーク市場が開く日本時間の夜から未明には、特徴的な価格の動きが表れやすく、取引ボリュームも一気に増えるのです。理由としては、米国の雇用統計やFOMC(連邦公開市場委員会)等の金融政策、主要な経済指標の発表といったイベントが集中し、それに世界中の金融機関や大口ファンド、個人投資家が即座に反応するためです。

また、ドルは国際決済通貨の中心であり、米国発の材料が為替全体に影響を及ぼします。米国企業の決算発表や要人発言でも相場は敏感に動くので、ニューヨーク時間はリスクも大きく、戦略的な取引が求められます。

日本時間との時差はどのくらいある?

ニューヨーク市場と日本時間(JST)との時差は、サマータイム(夏時間)や標準時間(冬時間)によって異なります。基本的には時差13時間(サマータイム)・14時間(冬時間)です。

たとえば、2025年の場合、サマータイムは3月9日から11月2日まで。逆に冬時間は11月2日から翌年3月9日まで続きます。米国夏時間中は、ニューヨーク市場の正午が日本では午前1時、取引終盤の夕方4時は日本の朝5時に相当します。相場の急変が多いのは、多くの場合日本時間午後10時~翌朝6時です。経済指標や要人発言の時間を日本時間でしっかり管理することが大切です。

ニューヨーク時間の特徴

ニューヨーク時間の特徴は、以下の通りです。

  • ニューヨーク市場で活発な時間帯
  • 米国の経済指標と値動きの関係性
  • ニューヨーク時間における通貨ペアの動き

ニューヨーク市場で活発な時間帯

ニューヨーク市場が最も盛り上がるのは、ロンドン市場との重複時間(日本時間で21時~翌2時前後)です。この数時間は、欧米の機関投資家やヘッジファンド、多国籍企業までもが積極的に取引に参加するため、通貨ペア全体の流動性が一気に高まります。米国の金融政策が世界経済に与える影響力から、ニューヨーク時間は他市場に比べてサプライズや大きなトレンド発生の可能性も高いです。

特に重要なのはドルストレート(USD/JPY、EUR/USD、GBP/USDなど)のダイナミックな値動きです。経済指標発表直後や要人発言のタイミングでは相場の値動きが激しくなることが多いため、テクニカルもファンダメンタルも駆使して分析する必要があります。

また、株価指数との直接的に影響するため、合わせて分析すると良いでしょう。

米国の経済指標と値動きの関係性

ニューヨーク市場では、米国から発表される経済指標やニュースが特に重要です。米国は世界最大の経済大国であり、米国の雇用統計やGDP、消費者物価指数などの情報は、外国為替市場全体に大きな影響を与えます。これらの経済指標は、日本時間の22時から24時頃に発表されることが多く、指標発表後には取引価格が大きく変動しやすいです。

特に「米雇用統計」は、FX取引を行う際に注目される指標であり、ニューヨーク市場での価格変動を重視した動きが見られます。このような情報は、米国市場の方針や政策、今後の金利見通しなどを反映しており、ドル円やユーロドルなどの通貨ペアに大きく影響します。値動きが予想外に大きくなることもあるため、初心者の方は事前にどのような情報が発表されるのかを確認しておくことが重要です。

ニューヨーク時間における通貨ペアの動き

ニューヨーク時間に価格変動が大きい通貨ペアとして最も代表的なのは、米ドル(USD)を含む通貨です。特に「ドル円(USD/JPY)」や「ユーロドル(EUR/USD)」はより多くの取引が行われます。

ニューヨーク市場はロンドン市場の取引時間と重なるため、市場がより動きやすくなります。そのため、各通貨ペアの価格変動も激しく、スプレッド(買値と売値の差)も広がりやすくなります。

ニューヨーク時間と他の市場(東京・ロンドン)との違い

ニューヨーク時間と他の市場(東京・ロンドン)との違いについて解説いたします。

  • 値動きの特徴
  • 日本市場とニューヨーク市場の違い

値動きの特徴

FX市場は基本的に日曜夜から土曜早朝まで、世界のいずれかの市場で取引できます。ただし、市場ごとに取引が特に活発化する時間帯とその特徴があります。

ニューヨーク市場は米ドルを中心とした通貨の取引量が世界最大です。21時~翌2時の時間帯はロンドン市場とも重なり、世界中から大口投資家や機関投資家が集まって注文を出すため、ほとんどの主要通貨ペアで流動性が高まります。

また、ニューヨーク市場が開いている時間帯は、アメリカの経済指標発表やFRB(米連邦準備制度理事会)の声明など、市場全体を揺るがすビッグイベントが相次ぎ、価格が急騰・急落しやすい状況となります。

東京市場は主に日本国内の金融機関や実需筋が中心です。特に仲値決定の9時55分前後や、日銀の政策発表などが注目されますが、全体的に慎重な取引が多く、ニューヨークやロンドン市場と比較すると値動きは穏やかな傾向です。また、仲値付近で一時的に活性化することも特徴です。

ロンドン市場はヨーロッパ圏の投資家が集い、取引高ではニューヨークと並ぶ世界最大級の市場です。ユーロ・ポンド関連通貨をはじめドルの取引も盛んであり、特にロンドンとニューヨーク時間が重なる夜間は価格が大きく動くチャンスが多く生まれます。

日本市場とニューヨーク市場の違い

FX市場では、各国の市場ごとに異なる特色があります。特に、日本市場とニューヨーク市場では投資家の傾向や注目する情報、注文の出し方などに違いがあります。

日本市場では慎重な注文が中心となるため、相場の変動もそこまで激しくないです。経済指標などの影響もありますが、全体として安定した取引が行われる傾向にあります。

ニューヨーク市場では、米国の大口投資家やヘッジファンドなどが積極的な売買を行うため、大きな値動きが起きることがあります。特に経済ニュースや企業の業績、金利に関する情報が公表されると、注文が一気に集まり価格が変動しやすくなります。初心者の方は手を出しにくい時間帯ですが、稼ぎやすいでしょう。

FX初心者の方がどの市場を選ぶか迷った際には、相場が比較的落ち着いている日本市場がおすすめです。

ニューヨーク時間で取引を行うメリット

ニューヨーク時間で取引を行うメリットは、以下の通りです。

  • 仕事終わりでも取引できる
  • ドル/円が取引しやすくなる
  • 短期売買で稼ぎやすくなる

仕事終わりでも取引できる

ニューヨーク市場は、日本時間の21時から取引が始まり、深夜0時過ぎにかけて活発に取引が行われます。そのため、日中仕事でFX取引ができない方でもこの時間帯は取引を行えるでしょう。

また、この時間帯は相場に直結する経済ニュースが発表されることが多く、市場の動きが大きいため、取引のタイミングを見極めることができます。

ドル/円が取引しやすくなる

米国の経済指標や要人発言が頻発するのがニューヨーク時間であり、特に「ドル/円」「ユーロ/ドル」など、世界的な主力通貨ペアがこの時間に活発になります。流動性の高さゆえ、滑らかな注文約定や少ない取引コストで取り引きできることが多いのも魅力です。

ニューヨーク市場は、ロンドン市場と取引時間が重なるのが特徴で、流動性が高く、取引がスムーズに行いやすくなります。そのため、ドル/円を含む通貨ペアが稼げるチャンスと言えるでしょう。

短期売買で稼ぎやすくなる

ニューヨーク市場は参加者が多く注文も集中し、スプレッド(売買価格差)も狭くなりやすいため、小さな値幅を狙う短期売買にも有利です。また、米国企業決算などの大型ニュースに連動した短期的な急変動を狙う短期売買にも理想的です。

特にスキャルピングやデイトレードを行うトレーダーは、ニューヨーク時間がおすすめです。注文の滑りが発生しにくく、価格が急激に変動することが多いため、短期間で利益を上げやすくなります。

ニューヨーク時間で取引を行うデメリット

ニューヨーク時間で取引を行うデメリットは、以下の通りです。

  • ボラティリティが激しくなる
  • スプレッドが広がりやすくなる
  • 夜勤の方は取引ができない

ボラティリティが激しくなる

ニューヨーク市場は、ボラティリティが激しくなります。特に、米国の政策金利発表など重要イベント時は、相場が一瞬で数十PIPS動く場合も多いです。当初の想定と逆向きに大きく動けば、損失が広がるリスクも高まります。また、ポジションの持ち越しやロスカット設定には細心の注意が必要です。

また、ボラティリティが激しくなることで、予測が難しくなるため、まだ知識やスキルを身に付けていないFX初心者の方は、デモトレードで練習をしてから取引するようにしましょう。

スプレッドが広がりやすくなる

ニューヨーク時間は、スプレッド(手数料)が広がりやすくなります。スプレッドとは、通貨ペアの売値と買値の差のことで、これが広がると取引コストがかかります。他市場と重なる時間帯や大きな経済ニュースや要人発言時には一時的にスプレッドが急拡大することもあります。

スキャルピングやデイトレードなどの短期取引を行う際には、逐一スプレッドのレートを確認しましょう。

夜勤の方は取引ができない

ニューヨーク市場の営業は、日本時間で夜21時から始まるため、夜勤の方は取引ができません。

そのため、夜勤をしている方が取引するには、事前に情報収集したり、他の市場で取引する必要があります。

その場合、自動売買(システムトレード)や、午前中に動くロンドン・東京時間帯のトレードを活用しましょう。

取引できない時間帯

以下の時間帯はFXで取引できないので、注意しましょう。

  • 土日の休日
  • 元日
  • クリスマスは取引できるが時短される
  • 祝日は平日であれば取引可能

土日の休日

FXは平日であれば24時間取引が可能ですが、土日の間は為替相場で取引ができません。

日本のみならず世界の市場でも土日の時間帯は、FXの取引が休止している時間にあたります。

また、週末にポジションを持ち越すのは、思わぬ窓開けリスク(週明けに価格が大きく跳ぶ現象)もあるため、注意が必要です。

元日

世界共通で1月1日は休場日であり、取引はできません。

日本時間で31日深夜から2日早朝までが完全に休場となるケースもあるので、実際のFX会社のカレンダーを確認しましょう。

クリスマスは取引できるが時短される

クリスマスは多くの国々で祝日にあたりますが、取引できないわけではありません。しかし、クリスマス時期には取引可能な時間帯でも参加者が極端に少なく、スプレッドが拡大したり為替レートが跳ねやすい傾向です。また、年末も時短営業や休場になることがあります。

クリスマスから元日までの年末年始に取引する際には、時間帯に注意しておきましょう。

祝日は平日であれば取引可能

日本の祝日が平日である場合、基本的にFX取引は可能です。世界中で祝日がある場合も、24時間取引可能なことが多いです。しかし、祝日は流動性が低くなるため、スムーズに取引ができなかったり普段よりも価格が大きく変動するリスクに注意が必要です。

ニューヨーク時間に関するよくある質問

ニューヨーク時間に関するよくある質問について回答していきます。

  • ニューヨーク市場の取引時間は?
  • 他の取引市場の時間帯は?
  • ニューヨーク時間の立会時間での取引におすすめの通貨ペアは?
  • 株式市場の取引時間は?

ニューヨーク市場の取引時間は?

ニューヨーク市場は、サマータイム(夏時間)と冬時間によって取引時間が異なります。

サマータイム期間(毎年3月第2日曜日~11月第1日曜日)は日本時間21時~翌朝6時、冬時間(それ以外の期間)は22時~翌朝7時となります。

他の取引市場の時間帯は?

ニューヨーク時間以外の時間帯は、以下の通りです。

【東京市場】8:00~17:00

【ロンドン市場】(サマータイム)16:00~翌2:00/(冬時間)17:00~翌3:00

【シドニー・ウェリントン】5:00~15:00

市場が重なり合う16時~翌2時、特に21時~翌2時は市場参加者が集中、取引チャンスが多く生まれます。

ニューヨーク時間の立会時間での取引におすすめの通貨ペアは?

ニューヨーク市場は、ドルが含まれる通貨ペアを基準に活発に取引されます。例えば、USD/JPY(米ドル/日本円)、EUR/USD(ユーロ/米ドル)などの2つが代表的な通貨ペアです。これらの通貨ペアは、ニューヨーク市場において、流動性が高く、取引チャンスも多くなります。

特に、ドルが絡むUSD/JPY(米ドル/円)、EUR/USD(ユーロ/ドル)が特に流動性が高く、トレード機会が豊富です。その分、値動きも大きくなりやすいため利益・損失ともに幅が広がりやすい点には十分注意してください。

株式市場の取引時間は?

株式市場の取引時間は、FX市場とは異なり、一般的な市場は24時間体制では取引されていません。

各国の取引所において異なりますが、主要な市場として、ニューヨーク証券取引所(NYSE)や東京証券取引所(TSE)などがあります。

これらの市場は、基本的に平日の特定の時間帯に取引が行われ、休日や祝日には休場です。

・ニューヨーク証券取引所(NYSE):日本時間22:30~翌5:00

・東京証券取引所(TSE):9:00~15:00(昼休憩あり)

祝日・土日などは各取引所によって休場日と定めがあります。

まとめ:ニューヨークと日本の時差は13時間

FX取引で利益を伸ばすには、各市場の特徴や値動きの違いを把握し、自身のライフスタイルに合った時間帯に相場を見極めて取引することが重要です。

アメリカと日本の時差は、サマータイム中が13時間、冬時間では14時間です。

2025年のサマータイムは3月9日2時から11月2日2時、冬時間は11月2日から翌3月9日まで適用されます。

東京・ロンドン・ニューヨークそれぞれの市場には独自の値動き・流動性の波があります。特に複数市場が重なる時間帯は有利なトレードチャンスとリスクが高まるので、慎重に取引しましょう。

自身の投資スタイル・生活リズム・リスク許容度に合わせ、計画的に取引してみましょう。取引を始める前に本記事を参考にして各市場の動向やイベント、サービスも調べ、メリット・デメリット両方を理解してみてください。