まずは、OCO注文とはどういう注文方法なのか解説していきます。
OCO注文は、「One Cancels the Other」の略で、同時に2つの注文を設定し、一方が成立するともう一方をキャンセルする注文方法です。これにより、トレーダーは両方の注文が成立するリスクを避けることができます。特定の価格に達すると新規注文が発注、逆指値注文が設定されるため、相場の動きに対して迅速に対応することができます。
具体的には、OCO注文は、指値と逆指値が同時に注文される形式です。たとえば、ある通貨ペアの取引で、価格が上昇することを予想して買いの新規注文を出すとともに、価格が予想と逆の相場に流れた場合に損失を最小限に抑えるために逆指値注文を設定します。この2つの注文が同時に管理されるため、マーケットの動きに合わせた柔軟な取引が可能になります。
また、OCO注文は、注文が成立した場合に自動的に片方を取り消すため、手動でキャンセルする手間が省けるという大きなメリットがあります。これにより、トレーダーは忙しい時でもFX初心者の方でも安心して取引を続けることができます。特に、相場が急激に動く場合や、時間帯を問わずに取引を行う場合には非常に便利な注文方法となります。
FX取引においてOCO注文は、リスク管理や利益確定のために非常に役立ちます。例えば、ある通貨の相場や金利が上昇すると予想して新規の買い注文を出したとしましょう。その際、OCO注文を利用することで、相場が上昇した場合には利益確定のために指値注文を出し、逆に相場が予想と逆の相場になった場合には損失を最小限に抑えるために逆指値注文を出すことができます。
OCO注文を活用する際には、まず新規注文を出し、その後、注文時に設定した価格に達した場合に利確する用の指値注文と反対に損失を抑えるための逆指値注文を設定します。このように、OCO注文を使うことで、リスクをコントロールしながら取引を行うことが可能です。
FX取引において、OCO注文のほかにも様々な注文方法があり、トレーダーの取引スタイルに合わせて使い分けることが重要です。
指値注文は、特定の価格で取引したいときに使います。そして、指定した価格に達した時に自動的に取引が成立するため、トレーダーは事前に設定した目標価格を達成することができます。反対に、逆指値注文は、「相場が上がったら買い」「相場が下がったら売り」を出す注文方法であり、主に損失を抑えるために使用されます。
成行注文は、指定価格ではなく市場の現在の価格で即座に取引が成立する注文方法で、迅速に取引を行いたい場合に利用されます。これに対して、OCO注文は、2つの注文を同時に管理し、いずれかが成立した際に片方を取り消すため、リスク管理に特化した注文方法です。
OCO注文を行うメリットは、以下の通りです。
OCO注文の最も大きなメリットは、利確と損切りの同時設定ができる点です。FXでは、相場が急変動することもあります。その際にリスクを抑えるために、利確と損切りのラインを事前に設定しておくことが重要です。
OCO注文では、例えば新規注文した後、指値で利益を確定させ、逆指値で損切りする注文を同時に出せます。このように設定することで、予想と逆の相場に動いても、事前に決めた範囲内でリスク管理ができるため、トレーダーの心の負担も軽減されます。損失を最小限に抑えつつ、利益をしっかりと得るための有効な手段と言えるでしょう。
OCO注文は、片方の注文が成立すると、片方の注文が取り消される仕組みです。例えば、利確のために設定した指値が約定した場合、損切りの逆指値注文は自動キャンセルされます。これにより、取引を行う際に手動で注文を取り消す手間が省け、取引における効率性が大幅に向上します。
また、FX取引では瞬時の判断が求められ、相場の変動が非常に速いため、注文のキャンセルを手動で行っている時間がもったいないですよね。そこでOCO注文を使用すると、自動でキャンセル注文が行えるようになります。
OCO注文を利用すると、注文や決済の手間を削減できます。通常、FX取引では新規注文を出した後、利確や損切りのために別々に注文を出す必要があります。これを手動で行う場合、取引の進行状況を見ながらタイミングを計って注文を出す必要があり、特に相場が急激に変動する場面では判断ミスを犯しやすくなります。
OCO注文を使えば、利確と損切りの両方を一度に設定できるため、注文や決済時の手間が大きく削減できます。これにより、スムーズな取引が可能となり、無駄な作業を減らすことができます。また、相場の変動を見逃すことなく、計画的な取引ができるため、リスク管理の面でも非常に有効です。
OCO注文を行うデメリットは、以下の通りです。
OCO注文において、スリッページが発生することを理解しておきましょう。スリッページとは、注文を出した時点の価格と実際に約定した価格との間に生じる価格の差を指します。特に、相場が急激に変動している時や流動性が低い時に発生しやすいです。取引所の流動性や相場の動きが常に変動しているため、注文時の価格がそのまま成立するとは限りません。
OCO注文は、指値注文と逆指値注文が同時に出されますが、どちらかが先に成立すると、もう一方はキャンセルされます。このタイミングで、急激な相場の動きがあった場合、注文が価格差を伴って成立する場合があります。指値注文の価格よりも不利な価格で約定してしまうこともあります。このスリッページによって、予想していた利益が減少する可能性があるため、特に急激な相場変動が予想される時は注意が必要です。
スリッページを最小限に抑えるためには、取引を行う時間帯や流動性の高い通貨ペアを選ぶことが重要です。市場が安定している時間帯や取引量が多い通貨ペアでは、スリッページのリスクを減らすことができます。
OCO注文を利用する際の注意点が「一部だけの決済ができない」という点です。OCO注文は、指値と逆指値を同時に出す注文方法ですが、これらはセットなので、片方の注文が成立すると、片方の注文は自動キャンセルされます。そのため、利益の半分だけ利確したい等といった部分的な決済には対応していません。
特に、長期間ポジションを保持している場合や、細かい調整をしたい場合には、OCO注文では対応できないので、他の注文方法を検討することが重要です。
FX口座を開設する前にOCO注文の情報を確認しておくと良いでしょう。
最後に、OCO注文に関するよくある質問に回答していきます。
多くのFX会社では、OCO注文をする際の手数料は発生しません。
FXサービスの基本的な費用としてはスプレッドが一般的であり、これは売値と買値の差によって生じるため、OCO注文であってもこのスプレッドの範囲内で取引が行われます。
FX会社によっては、OCO注文に対応していない場合や、一部のツールでのみ利用できるケースも存在します。
FXサービスを提供する会社は、関東財務局に登録された金融商品取引業者である必要があり、さらに金融先物取引業協会などの協会に加入しているかどうかも一つの信頼性の指標となります。
一般社団法人によって策定された方針のもと、OCO注文をはじめIFO注文やトレール注文といった注文機能も提供されています。
安全なFX会社を選ぶポイントは「関東財務局に登録された正式な金融業者」「日本証券業協会」や「金融先物取引業協会」に加入しているかが重要です。
また、各社が掲載している取引ルールや手数料の詳細は「カレンダー形式の取引スケジュール」や「サービス一覧」ページに掲載されていることが多いので、ログイン後にしっかり確認しておきましょう。
FX投資を行う際は、マーケットの動きや経済指標も確認しておきましょう。