最終更新：2025/05/14
まずは、FX初心者がまず知っておくべき基礎知識について解説していきます。
FXとは「Foreign Exchange」の略で、日本語では「外国為替証拠金取引」とも呼ばれます。簡単に言えば、異なる国の通貨を売買して、為替差益で利益を出すことです。たとえば、1ドル100円のときにドルを買って、後に1ドル110円になったときに売れば、その差額である10円の利益を得ることができます。
また、FXは価格が上がっても下がっても利益を狙えるという特徴があります。つまり、「買い（ロング）」だけでなく、「売り（ショート）」から入って利益を出すことも可能です。たとえば円高が進むと予想した場合、ドルを売ることで利益を得ることができます。
ただし、FXはリスクを伴う投資であることも忘れてはいけません。為替相場は世界の経済や政治情勢によって大きく変動するため、常に情報収集が必要です。
FXの取引では、2つの国の通貨を組み合わせた「通貨ペア」を用います。たとえば「USD/JPY」は米ドルと日本円のペアで、これは米ドルを日本円で売買することを意味します。FXではこのような通貨ペアが基本単位となり、片方の通貨を買うことはもう一方の通貨を売ることと同じ意味になります。
通貨ペアには「メジャー通貨ペア」「マイナー通貨ペア」などの分類があります。初心者にとっては、取引量が多く安定性のあるメジャー通貨ペア、たとえば「USD/JPY」「EUR/USD」「EUR/JPY」などがおすすめです。取引量が多い通貨ペアはスプレッド（後述）も狭く、価格の変動も比較的穏やかなので、初心者の方でも取引しやすいでしょう。
FXにおける「スプレッド」とは、通貨の買値（BID）と売値（ASK）の差額のことを指します。たとえば、USD/JPYの買値が110.05円で、売値が110.03円であれば、その差の0.02円、つまり2銭がスプレッドです。このスプレッドは実質的にトレーダーが支払う取引コストとなり、スプレッドが狭いほど、よりコストを抑えつつ取引できることになります。
多くのFX業者では、このスプレッドが手数料の代わりとなっているため、取引手数料が無料と記載されていても、実際にはスプレッドによって取引コストがかかっています。そのため、スプレッドの狭さはFX業者を選ぶ際の重要なポイントとなります。特に初心者の方は、できるだけスプレッドが狭い業者を選びましょう。
また、スプレッドは常に一定ではなく、市場の流動性や時間帯などによって変動します。相場が荒れたときにはスプレッドが一時的に広がることもあるため、タイミングには注意が必要です。
レバレッジとは、少ない資金で大きな金額の取引を行うことができる仕組みを指します。たとえば、レバレッジを10倍に設定している場合、10万円の証拠金で100万円分の取引が可能になります。
しかし、レバレッジには当然リスクも伴います。利益が大きくなる反面、損失も同じように拡大してしまうため、レバレッジを高く設定すればするほどハイリスク・ハイリターンの取引となるのです。特に初心者の方は、高すぎるレバレッジ設定を避け、まずは1倍〜5倍程度の低レバレッジから始めることが推奨されています。
日本国内のFX業者では、金融庁の規制により最大25倍までのレバレッジが認められていますが、海外の業者ではレバレッジに制限がないため、無制限の業者もあります。ただし、リスク管理の面から見ると、初心者のうちは国内業者での取引が賢明といえるでしょう。
スワップポイントとは、2つの通貨の金利差に基づいて、ポジションを保有している期間中に得られる利息のことを指します。たとえば、金利の低い通貨を売って金利の高い通貨を買うと、その金利差分が利益になります。
このスワップポイントは、長期投資にとっては魅力です。特に新興国通貨の中には金利が高い国もあるため、スワップポイントを目的とした「スワップ狙い」の取引も一部の投資家には人気です。ただし、金利が高い国の通貨は為替相場の変動も大きく、リスクも高いため、安易に飛びつくのは危険です。
ロスカットとは、一定以上の損失が発生した際に、自動的にポジションが決済される仕組みのことです。相場が急変して含み損が拡大した場合に、証拠金維持率が一定以下に達すると自動的に執行されます。
たとえば、100万円の証拠金で10万円の損失が発生し、証拠金維持率が50%を下回るような状況になると、ロスカットが実行されてポジションが強制的に決済されます。
そのため、初心者の方はロスカットの仕組みをよく理解し、適切な資金管理を行うことが大切です。また、ロスカットされる前に自分自身で損切りラインを定めておくことも重要です。
FXの勉強方法にはさまざまな手段がありますが、迷ったら以下の中から選んでみてください。
本や参考書は、FXの基礎知識が書かれているものが多く、初心者の方でも学びやすいです。中には小学生にでも理解できるくらいわかりやすく嚙み砕いて説明しているものが多く、はじめてFXに触れる方でも理解しやすいでしょう。
初心者の方は、まずは「初心者向け」「はじめてのFX」などと書かれた入門書から始めるのがおすすめです。
まずは図書館や書店、電子書籍などで自分に合った一冊を手に取り、コツコツと学習を進めていきましょう。
効率よく知識を得たい方は、動画講座やセミナーがおすすめです。特に、難しい専門用語やチャートの見方を実際の画面や図を用いながら説明してくれるため、書籍だけでは理解しにくかった内容も、スムーズに頭に入りやすくなります。YouTubeなどで無料で配信されている初心者向け動画も数多く、手軽に学べるのも魅力のひとつです。
初心者向けの動画では、FXの基本的な仕組みや用語解説、実際の取引の流れなどが丁寧に説明されており、初めてFXに触れる方でも安心して学べます。また、動画形式での学習は繰り返し視聴することができるため、一度で理解できなかった内容も何度も見返すことで確実に身につけることができます。
オンラインセミナーやウェビナーも近年では主流となっており、全国どこからでも学べます。
特に普段忙しい方や短期間で理解を深めたい方にとっては、非常に役立つ学習方法となります。
より本格的にFXを学びたい方は、有料講座やスクールがおすすめです。初心者が最初につまずきやすいポイントをしっかり押さえたカリキュラムを用意しているため、段階的に知識とスキルを身につけていくことが可能です。
有料講座やスクールでは、専任の講師がついて個別に指導をしてくれるので、わからない点や不安な部分をその場で相談できるのが大きな強みです。また、実際の取引画面を見ながらの実践指導や、模擬取引の演習を通じて、リアルな取引感覚を身につけることも可能です。
一方で、有料なので、コストがかかる点に注意です。受講料は数万円から数十万円に及ぶものまで幅広く、内容やサポート体制もスクールごとに異なります。そのため、事前に口コミや受講者のレビューを確認し、自分に合った講座やスクールを選ぶことが大切です。
個人ブログは、実際にFXを経験しているトレーダーのリアルな情報を知ることができます。完全な初心者からFXを始めたブログもあり、成功談だけでなく、失敗談や反省点なども包み隠さず書かれていることが多いです。
また、個人ブログの多くは、実際の取引履歴や使用している手法やツールの紹介などを載せているので、FXを始める際の参考にしやすいです、
ただし、個人ブログの中にはアフィリエイトなどの広告収入目的や「絶対に稼げる！」「無料で億トレーダーになれた！」など誇張した内容を掲載しているものも存在するため、複数のブログを見比べたり、実際の取引内容やデータが具体的に示されているかをチェックしたりすることが大切です。
FXにはいくつかの注文方法がありますが、基本となるのが「成行注文」「指値注文」「逆指値注文」の3つです。
成行注文とは、そのときの市場価格で「すぐに」買うまたは売る注文方法のことをいいます。たとえば「今すぐドルを買いたい」と思ったときに出すのが成行注文です。この方法は、価格の細かい指定をせず、現在のレートで即時に注文が成立するのが特徴です。
たとえば、ドル円のレートが1ドル＝150円で推移しているときに、成行で「買い」の注文を出せば、そのときの市場価格（150円前後）で注文が実行されます。価格が若干変動する可能性はありますが、スピーディに取引が成立するため、すぐに売買したいときにはとても便利な方法です。
ただし、成行注文には注意点もあります。急なニュースや相場の変動が起こると、レートが一気に動くことがあります。その結果、思っていたよりも高い価格で買ってしまったり、安い価格で売ってしまうこともあるのです。これを「スリッページ」と呼び、初心者にとっては予想外の損失につながる可能性があります。
そのため、成行注文はスピード重視で取引したいときに向いていますが、あらかじめ相場の流れや市場の動きを確認してから利用することが大切です。FX初心者の方が成行注文を使うときは、急激な価格変動が起こっていない落ち着いたタイミングを選ぶと良いでしょう。
指値注文とは、「この価格になったら買いたい（売りたい）」という希望価格をあらかじめ設定しておく注文方法です。自分で条件を決めておけるため、計画的な取引がしやすく、初心者にとっても扱いやすい注文方法のひとつです。
たとえば、現在ドル円が1ドル＝150円で取引されているとします。しかし、「149円まで下がったら買いたい」と考えている場合、指値注文で「149円になったら買う」と設定しておくことができます。そうすると、相場が実際に149円まで下がったときに、自動的に買い注文が成立するのです。
このように、指値注文は自分の希望通りの価格で取引できる可能性が高いため、無理に相場に合わせて注文を出さずに済みます。また、常にチャートを見続ける必要がなく、忙しい方や初心者にも向いています。
しかし、注意しなければならないのは「約定（やくじょう）しない可能性がある」という点です。指値注文はあくまで「指定した価格に達したら」実行されるため、相場がその価格に届かなければ注文は成立しません。つまり、取引のチャンスを逃すこともあるのです。
この点を理解したうえで使うことで、指値注文はFXにおけるリスク管理の大切な手段となります。冷静な判断が求められるFXにおいて、感情に流されずに取引ができる指値注文は、初心者がまず覚えておきたい注文方法のひとつといえるでしょう。
逆指値注文は、ある条件を満たしたときに「損切り」や「利益確定」などの目的で自動的に注文を出す方法です。主に「ある価格以上になったら買う」または「ある価格以下になったら売る」といった形で使われます。
たとえば、ドル円を1ドル＝150円で買ったとしましょう。その後、相場が下がって149円まで落ちてしまった場合、大きな損失になるかもしれません。そこで「149円まで下がったら自動的に売る」という逆指値注文をあらかじめ設定しておくことで、損失を最小限に抑えることができます。これを「損切り」と呼び、FXにおいて非常に重要な考え方です。
逆指値注文は「損失をコントロールする」ための機能であり、初心者こそ最初にしっかり覚えておきたい注文方法です。人間の心理としては、損失が出ても「もう少し待てば戻るかも」と期待してしまいがちですが、そのような判断がさらなる損失を生む原因になります。逆指値注文を使えば、事前に決めたラインで自動的に損切りができるため、冷静な取引を継続する手助けとなります。
また、逆指値は「利益を確保するため」にも使えます。たとえば、買ったあとにレートが上昇し、十分な利益が出た状態で「これ以上下がったら売る」という設定をすれば、利益を失わずに済みます。これを「トレール注文」などと組み合わせて使うこともあります。
このように、逆指値注文はリスク管理の要ともいえる機能であり、感情に左右されがちな初心者にとって非常に頼りになる存在です。最初は難しく感じるかもしれませんが、実際の取引においてとても大切な役割を果たしますので、ぜひ覚えておきましょう。
FX初心者が実践できるトレード方法としては、「テクニカル分析」と「ファンダメンタルズ分析」の2つが基本となります。
テクニカル分析とは、為替レートの過去の動きをグラフ化したチャートをもとに、将来の価格変動を予測するための分析手法です。この分析では、ローソク足と呼ばれるチャートや移動平均線、MACD（マックディー）、RSI（相対力指数）などのテクニカル指標を使用して、相場のトレンドや売買のタイミングを見極めます。テクニカル分析の最大の特徴は、経済ニュースや世界情勢などの外部要因には注目しなくてもチャートを分析できるところです。
とはいえ、テクニカル分析だけで相場を完全に予測することは不可能です。FXには確実性がないため、プロのトレーダーでも失敗することもあります。そのため、テクニカル分析を学ぶ際には、単にチャートを見るだけでなく、各指標を駆使して分析することが大切です。
ファンダメンタルズ分析とは、為替相場に影響を与える経済的・政治的な要因をもとに、通貨の価値や相場の動きを予測する分析手法です。GDP（国内総生産）、雇用統計、インフレ率、政策金利などの経済指標や、中央銀行の金融政策など、さまざまが対象になります。これらの情報をもとに、どの通貨の価値がどう変化するかを考えていきます。
また、ファンダメンタルズ分析は中長期的なトレードスタイル、たとえばスイングトレードやポジショントレードといったスタイルとの相性が良く、じっくりと値動きを見ながら取引したい方に向いています。特に長期間にわたって安定した収益を狙いたい方は、経済の動きや世界情勢の変化に敏感になり、それをもとにした戦略を立てることが必要です。テクニカル分析とは異なり、直感や感覚ではなく、論理的に相場を判断する点もファンダメンタルズ分析の大きな魅力です。
ここからは、FX初心者にありがちな勘違いについて解説していきます。
FX初心者の方がよく抱く勘違いの一つに、「FX業者はどれも同じ」という思い込みがあります。しかし、実際には国内FX業者と海外FX業者には大きな違いがあります。
まず、国内FX業者は日本の金融庁に登録されており、厳しい規制のもとで運営されています。これにより、投資家の資金は分別管理され、トラブルが発生した場合にも一定の保護が受けられるようになっています。一方、海外FX業者は日本の規制外なので、金融庁の監視対象には含まれません。そのため、信頼性や安全性においては、業者ごとの見極めが非常に重要になります。
また、レバレッジの制限にも違いがあります。国内FX業者では個人トレーダーに対して最大25倍までのレバレッジが認められていますが、海外FX業者では1,000倍や2,000倍以上のレバレッジを提供しているところもあります。
国内と海外のFX業者はそれぞれにメリット・デメリットが存在します。初心者の方は、まず信頼性の高い国内FX業者を選ぶのが安心です。
先ほど説明した「レバレッジ」を覚えているでしょうか。これは少ない元手で大きな取引ができる仕組みです。そこで、「高いレバレッジをかけるほど、元金も増えてしまう」と思う方もいるのではないでしょうか。実際には、レバレッジを何倍にしても元金は変わらないです。
しかし、レバレッジを高く設定すればするほど、価格がわずかに動いただけでも大きな損益が発生します。つまり、少ない資金で取引できる一方で、損失が出た場合にはあっという間に元金を失ってしまうリスクも伴うのです。
FX初心者が避けて通ろうとするのが「損切り」です。損切りとは、一定の損失が出た時点でポジション決済し、それ以上の損失拡大を防ぐための行動です。初心者の中には、「もう少し待てば相場が戻るかもしれない」と期待して、損切りをしない方も多いです。
しかし、損切りをせずに保有し続けた結果、損失がどんどん膨らみ、最終的には強制ロスカットとなって全ての資金を失ってしまうこともあります。こうした事態を避けるためには、あらかじめ「どのくらいの損失まで許容するか」を決めておき、損切りをすることが大切です。
「塩漬け」とは、含み損を抱えたポジションを損切りもせずに放置し、長期間そのまま持ち続けてしまうことを指します。初心者がやりがちな行動の一つであり、「いつか相場が戻るだろう」と期待して損切りの決断を先延ばしにしてしまうのです。
しかし、塩漬けは絶対にしてはいけません。
損失を抱えたまま放置していると、さらに損失が拡大するリスクもゼロではないです。
そのため、先ほど説明した「損切り」をするのに伴い塩漬けをしないようにしましょう。
FXはボラティリティが激しい金融商品であり、どんなにプロのトレーダーでも失敗することがあります。
SNSやYouTube等で有名なトレーダーでも100%稼げる方法はないので、「FXに絶対はない」と理解しておくべきです。
むしろ、プロのトレーダーほどリスク管理を徹底しており、損失が出た際にも冷静に対応できる対策をしています。いかに損失を小さく抑えて利益を積み上げていくかが、FXで成功するための基本です。
FX口座開設の方法から学んでいきましょう。
まず、FX口座開設を行うためには、利用したいFX業者の公式サイトにアクセスする必要があります。
FX業者を選ぶ際には、手数料の安さや取引ツールの使いやすさ、サポート体制などを考慮しましょう。
次に、必要事項を入力します。氏名や住所、電話番号、メールアドレスなどの個人情報を入力します。入力する際には、必ず後ほど説明する本人確認書類と一致することが重要です。
必要事項の入力後は、本人確認書類の提出が求められます。本人確認書類には、運転免許証やマイナンバーカード、パスポートなどが必要です。
また、住民票や公共料金の請求書なども提出を求められることがあります。
本人確認書類が提出されると、FX業者で審査が行われます。
提出された書類に問題がない場合、口座開設が完了し、取引を開始するためのログイン情報が届きます。これで、FX口座の開設が完了となり、実際の取引を行う準備が整います。
口座開設が完了したら、いよいよFXの取引を始めましょう。
FX初心者の方は、デモ口座から始めることをおすすめします。デモ口座では、仮想のお金で取引を行うことができ、実際のお金を使わずに取引の感覚を掴むことができます。
最後に、初心者向けFX勉強法についてよくある質問について回答していきます。
FXを始めるには十分な知識と経験が必要です。まず、FX初心者が最初に行うべきことは、基本用語を理解することです。先ほど説明した、「通貨ペア」「レバレッジ」「ロスカット」など、FX取引を行う上で欠かせない基本用語をしっかり理解することで、取引の際に不明点を防げます。
次に、テクニカル分析やファンダメンタル分析などの手法を身に付けることです。これらを学ぶには数ヶ月かかることが一般的なので、最初の数ヶ月は基礎を固めましょう。
これからFXを始める方は、デモトレードをするべきです。
デモトレードは、実際の資金を使わずに仮想の資金で取引を行う方法です。リスクなく実際の取引を模擬体験できるため、取引の流れや操作方法を学ぶのに最適な方法といえます。
デモトレードでは、通貨ペアを絞ってテクニカル分析やファンダメンタルズ分析を駆使して取引してみましょう。
ただし、デモトレードはあくまでも仮想資金で取引を行っているため、どんなに利益が出ても実際にはもらえないので注意しておきましょう。
FXの知識は無料で学べます。
本や参考書、YouTubeやセミナー等など多種多様に学べる方法があるので、自分に合った勉強方法を選びましょう。
FX初心者が学び始める際、最も効果的な方法は、本や動画を利用して基礎知識を身につけることです。
まず、FXの基本的な用語や概念を理解することが、取引をスムーズに行うための第一歩となります。
勉強を始める際は、自分に合った教材を選び、理解できる範囲から無理なく進めていきましょう。
