最終更新:2025/08/29

はじめてのFXテクニカル分析とは?初心者向けに分析の基本と使い方を徹底解説

FXの分析方法は2つある!テクニカル分析とファンダメンタルズ分析とは?

FX(外国為替証拠金取引)で安定して利益を上げるためには、相場の動きを読み解く力が必要です。その相場分析の方法には、大きく分けて「テクニカル分析」と「ファンダメンタルズ分析」という2つの手法があります。

これらはそれぞれ異なる視点からマーケットを読み解くため、目的やトレードスタイルに応じて使い分けることが大切です。

テクニカル分析とは?チャートから相場を読む手法

テクニカル分析は、過去の価格の動きやチャートの形状をもとに、将来の為替相場を予測する方法です。具体的には、ローソク足や移動平均線(MA)、RSI、MACDなどのインジケーターを利用し、「どこでエントリー(新規注文)するか」「どこで利確や損切りをするか」といったポイントを探ります。

テクニカル分析の最大の強みは、「マーケットに影響を与えるすべての情報はすでに価格に織り込まれている」と考える点にあります。つまり、複雑な経済情報や企業業績などを読み解かなくても、チャートさえ見れば相場の状況がある程度把握できるのです。

証券会社やFX業者のサービスによっては、テクニカル分析ツールが豊富に揃っているところもあり、選び方が重要です。

ファンダメンタルズ分析とは?経済指標やニュースで判断する方法

ファンダメンタルズ分析は、経済指標・金利動向・要人発言・地政学的リスクなどのニュースから相場の方向性を読み解く方法です。例えば「アメリカの雇用統計が予想より良ければドル買いが進む」「欧州の金利が引き上げられればユーロ高になる可能性がある」といったように、各国の経済や金融政策に基づいて通貨の価値を分析します。

使用される主な情報には、以下のようなものがあります。

  • GDP成長率や失業率などの経済指標
  • 中央銀行(例:FRB、ECB、日銀)の金利発表や金融政策方針
  • 為替介入・財政政策・要人発言
  • 地政学的リスク(戦争・政変・自然災害など)

これらの情報は、経済指標カレンダーや各国の公式発表などで確認できます。ただし、情報の解釈が難しく、特に初心者にとっては「どのニュースがどんな影響を及ぼすのか」を判断するのが困難な場合も少なくありません。

また短期売買にはやや不向きな場面もあり、長期トレード向きの分析法といえるでしょう。

はじめての人にテクニカル分析が向いている理由

FX初心者におすすめなのは、テクニカル分析です。その理由は以下のとおりです。

  1. 視覚的にわかりやすく直感的に理解できるローソク足のパターンやインジケーターのラインで、相場の「買われすぎ」「売られすぎ」やトレンドの有無を判断できます。
  2. 無料で利用できるツールが豊富多くのFX業者が提供するチャートツール(MT4、TradingViewなど)には、主要な分析機能がすべて備わっています。
  3. トレードルールを明確に設定しやすい「移動平均線がゴールデンクロスしたら買い」「RSIが30以下なら買いを検討」といったシンプルで再現性の高いルールをつくることができます。
  4. 損失リスクの軽減につながる感覚での取引ではなく、チャートというデータに基づいて取引するため、初心者でもリスク管理しやすくなります。

短期トレードに強いのはどちら?分析方法の選び方

FXの取引スタイルには「スキャルピング(数秒〜数分)」「デイトレード(1日以内)」「スイングトレード(数日〜数週間)」「ポジショントレード(数ヶ月〜数年)」などがありますが、短期〜中期のトレードでは圧倒的にテクニカル分析が有利です。

短期の価格変動はテクニカル指標のサインやチャートパターンに反応しやすく、ファンダメンタルズ分析よりも即効性のある情報となるからです。

ただし「重要な経済指標の発表時には、テクニカル分析が通用しないケースがある」という注意点があります。例えば雇用統計や政策金利の発表前後は、マーケットが大きく荒れるため、ローソク足や移動平均線のサインがダマシになる可能性が高くなります。

そのため「普段はテクニカル分析を使い、指標発表時はファンダメンタルズ情報を意識する」という柔軟な使い分けが理想的です。

デイトレードについての関連記事はこちら FXデイトレードにおけるテクニカル分析の活用法

テクニカル分析の基本|初心者が覚えるべき主要インジケーター6選

FXにおけるテクニカル分析では、チャート上に表示されるインジケーターを活用して、相場の方向性やエントリーポイントを見極めます。

ここでは、取引判断に役立つ6つの主要インジケーターを厳選してご紹介します。

移動平均線(MA)|トレンドの方向を見極める

移動平均線(Moving Average)は、一定期間の価格の平均を線でつないだインジケーターで、もっとも基本的かつ多くのトレーダーが利用する分析ツールのひとつです。チャート上に滑らかなラインとして表示され、価格の流れやトレンドの強さを視覚的に把握できます。

上昇トレンドではMAが右肩上がりになり、価格が線の上にあれば買い目線、下にあれば売り目線と判断できます。

初心者でもチャートツール(MT4やTradingViewなど)で簡単に設定・表示できるため、FXをはじめて学ぶ人にもおすすめの分析手法です。

長期と短期の移動平均線を組み合わせる「ゴールデンクロス」や「デッドクロス」も有効なシグナルとして知られています。

ボリンジャーバンド|相場の勢いと反転の目安を知る

ボリンジャーバンド(Bollinger Bands)は、価格の変動幅(ボラティリティ)を基準にチャート上に表示される帯状のインジケーターです。バンドは、移動平均線を中心に「±1σ」「±2σ」「±3σ」など複数のラインで構成され、価格の振れ幅を可視化します。

注目すべきポイントは、ローソク足がバンドの外に飛び出したときです。これは「価格が異常値にある可能性が高く、近いうちに反転するかもしれない」というサインになります。

ボリンジャーバンドは、トレンドの強さを測るだけでなく、逆張り(反転狙い)の戦略にも使える万能型の分析ツールです。為替相場が大きく動くときやレンジ相場のブレイク局面でも有効に機能します。

RSI(相対力指数)|買われすぎ・売られすぎを判断

RSI(Relative Strength Index)は、一定期間における価格の上昇幅と下落幅をもとに、「買われすぎ」「売られすぎ」を数値化する指標です。

0〜100の範囲で表示され、次のような基準で判断します。

  • RSIが70以上:買われすぎ → 売りエントリーを検討
  • RSIが30以下:売られすぎ → 買いエントリーを検討

RSIのメリットは、誰でも数値で状況を判断できる明確さにあります。また、他のテクニカル分析ツールと組み合わせることで、相場の過熱感を読み取りながらタイミングよくトレードすることが可能です。

MACD|相場の転換点を予測するインジケーター

MACD(Moving Average Convergence Divergence:移動平均収束拡散法)は、短期と長期の移動平均線の差をもとに作られたテクニカル指標で、トレンドの転換点や相場の勢いを分析するのに適しています。

MACDには主に2本の線が表示されます。

  • MACDライン(移動平均の差)
  • シグナルライン(MACDラインの移動平均)

これらがクロスする瞬間は「トレンド転換のサイン」として重視されます。

  • MACDがシグナルを下から上に抜ける(ゴールデンクロス) → 買いシグナル
  • 上から下に抜ける(デッドクロス) → 売りシグナル

MACDは、価格の動きに対してやや遅れてシグナルが出る「遅行系インジケーター」ですが、その分ダマシが少なく、トレンドの継続性を把握するのに優れています。

ローソク足パターン|価格の動きを視覚的に把握

ローソク足は、一定期間の始値・高値・安値・終値を1本の「足」で表す日本発祥のチャート形式で、世界中のFXトレーダーに活用されています。

特に注目すべきは、「包み足」「ピンバー」「はらみ足」などのパターンです。これらは、相場の転換点や迷いの局面を示すシグナルとして重視されます。

ローソク足単体でもある程度の判断はできますが、移動平均線やMACD、RSIなど他のインジケーターと組み合わせることで、分析の信頼度が一段と高まります。

サポートラインとレジスタンスライン|反発ポイントを予測

サポートライン(Support)は、「価格が下がっても反発しやすい下値のポイント」、レジスタンスライン(Resistance)とは「価格が上がっても跳ね返されやすい上値のポイント」です。これらのラインは、過去の高値や安値、直近の反発実績がある価格帯を基準に設定されます。

FXのチャートを分析する際には、これらのラインにローソク足が近づいたときに注意が必要です。例えば、価格がサポートラインに到達して反発の兆しを見せたら買い、レジスタンスラインに接近して下落し始めたら売りといった判断が可能になります。

また、これらの水準を損切り(ストップロス)や利確(テイクプロフィット)の目安として設定することで、リスク管理がしやすくなります。

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【初心者向け】FXのテクニカル分析を一覧で紹介!主な種類と使い方をわかりやすく解説

テクニカル分析に必要なチャートツール・おすすめの環境とは?

MetaTrader4(MT4)とTradingViewは、レートの見方にも対応しており、世界中のFXトレーダーに選ばれている代表的なチャートツールです。いずれも無料で利用でき、インストール不要のWeb版やスマホアプリにも対応しています。

またFX口座の開設をする際は、キャンペーンの有無や取引の手数料、スプレッド等をしっかり確認するのも大切です。

無料で使えるチャートツールの代表例

【MT4(MetaTrader4)の特徴】

  • 多くのFX会社が対応しており、リアル口座・デモ口座を通じて本格的な取引が可能
  • 高度なインジケーター設定や自動売買(EA)に対応
  • 通貨ペアや時間足の種類が豊富で、細かいチャート分析が可能
  • ログインなしでもオフラインでチャートの確認ができる設定もあり

【TradingViewの特徴】

  • ブラウザ上で完結するため、インストール不要&マルチデバイス対応
  • スマホアプリも高機能で、出先でもマーケットを即座にチェック可能
  • インジケーターや描画ツールが充実しており、初心者でも直感的に操作できる
  • アラート機能で価格変動や特定の条件で通知を受け取ることが可能

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FXテクニカル分析におすすめのツール徹底比較!機能・使い方・選び方を詳しく解説

初心者におすすめの設定方法と見やすい画面の作り方

テクニカル分析では、情報量の取捨選択が非常に重要です。あれこれ表示してしまうと、逆に判断が難しくなります。以下のようなポイントを押さえて、見やすく扱いやすいチャート画面を設定しましょう。

【インジケーターは2〜3種類に厳選する】

  • 代表的な「移動平均線(MA)」「RSI」「MACD」などから選ぶ
  • 同じ系統の指標を重複させず、役割が異なるものを組み合わせる
  • 必要以上に情報を盛り込まないことが、判断力を保つカギ

【背景色やローソク足の色を調整する】

  • チャート背景は「白」や「黒」など見やすいカラーに設定
  • 陽線(価格上昇)と陰線(価格下落)を明確に色分け(例:青と赤)
  • 目に優しい配色にすることで、長時間の分析でも疲れにくくなる

【価格・通貨ペアの表示はシンプルにする】

  • よく使う通貨ペア(例:ドル円、ユーロドル)だけをお気に入り登録
  • 重要な経済指標発表時に備え、カレンダー機能やアラート機能も活用

スマホとPC、どちらがテクニカル分析に向いている?

FXトレードはスマホでもPCでも可能ですが、テクニカル分析や過去の相場データの検証など、深い分析にはPC環境が適しています。一方で、移動中の相場チェックやアラート通知、簡単な売買注文はスマホが便利です。それぞれのメリットを理解して、場面によって使い分けることが理想です。

【PCがおすすめな理由】

  • 大画面でチャートを複数表示しやすい(通貨ペアの比較も可能)
  • インジケーターの設定や履歴の検証がスムーズ
  • 過去の相場パターンをローソク足単位で細かく分析可能

【スマホがおすすめな理由】

  • 外出先でもリアルタイムでマーケットを確認できる
  • アプリ経由で価格アラートや取引通知を即受信
  • トレードチャンスを逃さないための機動力がある

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テクニカル分析の実践ステップ|チャート分析の手順とは?

テクニカル分析でFX取引を行うには、チャートを使った段階的な分析手順が重要です。

チャートの見方やエントリーポイントの判断方法等、基本的な流れを押さえておきましょう。

ここでは、初心者でもすぐに実践できる6つの基本ステップを紹介します。取引前にこの手順を確認しておけば、ムダな損失リスクを減らし、利益につながる売買が可能になります。

STEP1:通貨ペアを選ぶ

最初に、取引する通貨ペアを選ぶことが分析のスタートです。初心者には「ドル円(USD/JPY)」や「ユーロドル(EUR/USD)」など、スプレッドが狭く、情報が多く出回っている主要通貨ペアがおすすめです。

主要通貨ペアは流動性が高く、価格の動きが比較的安定しているため、テクニカル分析が効きやすい傾向があります。また、相場の予測もしやすく、過去のチャートデータや分析情報も豊富です。

STEP2:時間足(5分足、日足など)を設定する

次に、チャートの時間足(タイムフレーム)を設定します。これは、1本のローソク足が何分・何時間の値動きを表しているかを意味し、トレードスタイルに大きく関わってきます。

  • スキャルピング(超短期取引):1分足〜5分足
  • デイトレード:15分足〜1時間足
  • スイングトレード(中期取引):4時間足〜日足
  • ポジショントレード(長期):日足〜週足

時間足によって、相場の見え方やエントリータイミングが異なるため、自分のトレードスタイルに合った時間足でチャートを分析することが重要です。

STEP3:トレンドの有無を確認する

テクニカル分析ではまず、「トレンド相場」か「レンジ相場」かを見極めることが大切です。これは、売買判断の土台となる要素であり、方向性のない相場で無理にトレードすると損失につながる可能性があります。

【トレンドの確認方法】

  • 移動平均線(MA):右肩上がりなら上昇トレンド、右肩下がりなら下降トレンド
  • トレンドラインの引き方:安値・高値を結んで、相場の傾向を見る
  • 価格が移動平均線の上にあるか下にあるかで、売り・買いの方向性を判断

STEP4:インジケーターを使ってエントリーポイントを探す

トレンドの方向性をつかんだら、次は具体的なエントリーポイント(売買のタイミング)を探す段階です。ここでは、複数のインジケーターを組み合わせることで、より精度の高い分析が可能になります。

【よく使われるインジケーター】

  • MACD:ゴールデンクロスやデッドクロスでトレンド転換を判断
  • RSI:70以上で買われすぎ、30以下で売られすぎを判断
  • ボリンジャーバンド:価格がバンドの外側に出たら反転の可能性
  • ローソク足の形状:「ピンバー」「包み足」などで売買サインを確認

STEP5:損切りと利確の位置を決める

エントリーの前に、「どこで損切りし、どこで利確するか」を明確にしておくことがプロのトレーダーの基本です。感情に流されず、事前に設定したラインで機械的に取引することで、損失の最小化と利益の最大化が可能になります。

【損切り・利確の決め方】

  • 損切り:直近の高値・安値を基準、またはATR(平均的な価格変動幅)で算出
  • 利確:リスクリワード比(1:2など)を設定して、期待値を計算
  • サポートライン・レジスタンスラインを目安にするのも有効

STEP6:自分のルールに従ってトレードする

最後に重要なのが、自分で作ったトレードルールに忠実に従って取引を行うことです。エントリーの基準や、損切り・利確のルール、分析に使うツールはあらかじめノートやエクセルで記録しておきましょう。

【ルールに含めたい要素】

  • エントリー条件(インジケーターのサイン・トレンドの方向)
  • 損切りの基準(何pipsか、価格レベル)
  • 利確の方針(リスクリワードや目標値)
  • 経済指標の発表時間や、トレードを避ける時間帯の設定

FXでは、一度の損失ではなく「長期的な資金管理と勝率」が利益を生む鍵です。感情に左右されず、事前に決めた方針に従って、ブレのないトレードを心がけましょう。

テクニカル分析を使ったエントリーとエグジットの実例解説

テクニカル分析は、チャート上の価格変動やインジケーターの動きを読み取り、売買のタイミング(エントリー・エグジット)を判断するための基本ツールです。

ここでは、代表的な移動平均線クロス・サポレジライン・ATRなどを使った、実践的なトレード例をご紹介します。

移動平均線クロスで入る場合のエントリーポイントとは?

実例:ドル円チャートの買いエントリー例

  • チャート環境:移動平均線(5日と25日)を表示
  • エントリーポイント:ゴールデンクロス後、価格が5日線まで戻ってきたタイミング(初押し)
  • 損切りの設定:直近安値の少し下にストップロスを置く
  • 利確の設定:前回の高値やレジスタンスライン付近

このように、クロスだけでなく「押し目」で入ることで、リスクを抑えながらトレードの精度を高められます。

サポレジラインとローソク足の組み合わせで利確判断する例

テクニカル分析では、サポートライン(下値支持線)とレジスタンスライン(上値抵抗線)を使ったエントリー・エグジット判断が重要です。

特に、サポートラインでの反発サイン×ローソク足パターンの組み合わせは信頼性が高く、利確やエントリーポイントを見つける有効な方法です。

実例:ユーロドルの買いエントリーと利確判断

  • チャート環境:過去の安値と高値をベースに、水平サポート・レジスタンスラインを引く
  • エントリーポイント:サポートライン付近で陽線ピンバー(ヒゲの長いローソク足)が出現
  • 利確の設定:次に意識されるレジスタンスライン付近(過去の戻り高値)

ローソク足パターン(例:包み足、ピンバー、はらみ足)は、相場の心理を視覚的に読み解くツールとして有効です。

サポレジラインと組み合わせることで、エントリー・利確タイミングがより明確になります。

失敗しない損切り設定のコツ(ATRや直近高値・安値を活用)

どれほど優れたテクニカル分析でも、損切りの位置が不適切であれば、不必要な損失を招く可能性があります。

ここで使いたいのが、ATR(Average True Range)というインジケーターです。これは「今の相場がどれくらい動いているか(ボラティリティ)」を数値化したものです。

実例:ポンド円のトレードでATRを使った損切り

  • チャート環境:ATR(14期間)を表示し、現在の数値が「1.5円」と表示されたとします
  • エントリーポイント:買いエントリー後、損切りはエントリー価格から「ATR×1.5(=2.25円)」下に設定
  • 理由:ポンド円は値動きが激しいため、平均的な変動幅に基づいてストップロスを広めに取る必要がある

また、直近の高値・安値を参考に損切りラインを設定することも重要です。テクニカル的に「抜けてはいけない価格帯」の下(または上)に損切りを置くことで、無駄なロスカットを避けることができます。

はじめての人が陥りがちな失敗と注意点

FXを始めたばかりの初心者がテクニカル分析やチャートツールを正しく活用できずに失敗するケースは少なくありません。

これは知識不足だけでなく、使い方の方向性を誤っていることが原因の場合も多くあります。

あらかじめ注意点を知っておくことで、大切な資金を無駄な損失から守ることが可能です。

インジケーターを多用しすぎて混乱する

初心者がやりがちなのが、インジケーターをたくさん入れすぎてしまうことです。

複数のインジケーターを同時に表示すると、チャートが複雑になりすぎて肝心な価格の動き(ローソク足)が見えにくくなります。

【対策ポイント】

  • 使用するインジケーターは2〜3種類までに絞る
  • 目的別(トレンド系・オシレーター系)で使い分ける
  • 背景色やラインの色を調整し、視認性を上げる

「なんとなく」のエントリーで損を出す

初心者に最も多い失敗が「なんとなく相場が上がりそうだから買ってみた」といった感覚的なエントリーです。

これはテクニカル分析の本質を無視した行動で、マーケットのランダムな動きに飲み込まれるリスクが非常に高くなります。

【対策ポイント】

  • 「移動平均線がゴールデンクロスしたら買い」などルールを明文化する
  • エントリー前に「根拠となるシグナルがあるか」を確認する習慣をつける
  • 感情ではなく、客観的なチャート情報を重視する

トレンドに逆らって取引してしまう

テクニカル分析を学び始めた初心者が陥りやすいのが、「高値だからそろそろ下がるはず」「安値だからそろそろ上がるはず」という思い込みによる逆張りトレードです。

もちろん逆張りも有効な手法の一つですが、強いトレンドが出ている相場では機能しにくい場合があります。

【対策ポイント】

  • まずはトレンドの方向性(順張り)に沿った取引から始める
  • 移動平均線やMACDなどでトレンドの継続性を確認する
  • 逆張りをする場合は、サポートラインやRSIなど複数の根拠を重ねる

損切りができずに含み損を抱える

テクニカル分析で売買のタイミングを計ったとしても、損切りのルールを決めていないと、含み損をずっと抱えてしまうことになります。

【対策ポイント】

  • エントリー時に必ず損切りラインをチャートに設定する
  • ATRや直近の高値・安値を基準に、現実的な位置にストップロスを置く
  • ルールどおりに損切りできるメンタルの訓練も大切

過去の失敗から学ばずに同じことを繰り返す

FX初心者が成長できない最大の理由のひとつは、過去のトレードの記録を取らないことです。

自分の失敗の検証作業をしなければ、同じミスを繰り返すだけです。

【対策ポイント】

  • トレード日記(ジャーナル)をつける習慣を持つ
  • チャートの画像やエントリー理由を記録して、後から振り返る
  • 勝ちトレードと負けトレードの違いを分析し、取引方針を改善する

テクニカル分析を上達させる勉強法・練習法とは?

FXで勝てるようになるためには、単にテクニカル分析の知識を身につけるだけでなく、実際にチャートを使って練習・検証を重ねることが不可欠です。

とくに初心者は、「実践→振り返り→改善」のサイクルをしっかり回すことで、分析スキルとトレード判断力を着実に鍛えることができます。

デモトレードで感覚をつかもう

まずおすすめなのが、デモトレード(仮想取引)です。実際の為替レートと同じ環境でトレードができるため、テクニカル分析の練習やエントリーの感覚をつかむのに最適です。

MetaTrader4(MT4)やTradingViewに対応した口座もあり、チャート操作に慣れるための第一歩として活用できます。

※デモ口座は関東財務局登録の金融商品取引業者を通じて提供されています。正規ライセンスのある業者を選びましょう。

過去チャートを検証する「バックテスト」の重要性

テクニカル分析の精度を上げるには、「過去のチャートデータを使った検証=バックテスト」が欠かせません。

これは、自分のトレード手法が過去の相場でどのような成績を出したかを確認する作業です。

エントリーポイントや損切りライン、利確タイミングを過去チャートで何度も確認することで、再現性のあるトレードルールを作ることができます。

トレード日誌をつけて分析力を養う

どれだけテクニカル分析の知識を学んでも、それを実際のトレードにどう活かすかは振り返りの習慣にかかっています。そのためには、トレード日誌(トレードノート)をつけることが非常に効果的です。

トレード日誌には以下の項目を記録しましょう。

  • 通貨ペア、時間足、トレード日時
  • エントリー・エグジットの理由
  • 使用したインジケーター(例:RSIが30を割ったから買い)
  • 結果(損益)と、その原因分析気づきや反省点、改善策

まとめ

テクニカル分析は、感覚ではなくデータに基づいたFX取引の基本です。

初心者はまず移動平均線やRSIから始め、少しずつインジケーターの使い方に慣れていきましょう。

経験と検証を重ねれば、自分だけのトレードルールを確立し、勝率アップも十分可能です。

FXをはじめるなら、まずはテクニカル分析の基礎からしっかり学んでいきましょう。